【体験談】ボクが発達障害を職場にオープンにしていた理由
発達障害の人の中には
・幼少期から発達障害と診断されている人
・大人になってから発達障害と診断された人
の2パターンがあると思います。
ボクは後者の大人になってから発達障害と診断された人です。
自己紹介にも書いた通り、市役所で働いていたときに仕事をしていく中で無能すぎたため発達障害が発覚しました。
なので市役所自体は障害者雇用ではなく一般枠での採用でした。
働いている途中で発覚したため職場に言おうか言わないか迷いましたが、結局言うことにした経緯を書き記していきます。
大人の発達障害で職場にオープンにしようかどうか迷っている方の参考になれば嬉しいです。
障害をオープンにする決断の背景
発達障害が職場での仕事にどのように影響したか
発達障害の特性上、仕事で困ったのは
- 職場の上司や同僚、市民の方とのコミュニケーションが円滑にとれない
- 業務が多岐にわたっており、同時に複数の業務(マルチタスク)を行うことができない
- 正確で細かい業務の処理ができない
などです。
いつも仕事でミスや失敗して上司に怒られてました。
上司は失敗してもアドバイスとか配慮をしてくれたいい人でしたし、ボクもそのアドバイスを実践して色々工夫しながら仕事していたものの
やっぱりできないんですよね。
仕事を失敗して周囲に迷惑をかけてしまっている申し訳なさと、努力しているのに同じミスを繰り返してしまう自分への失望感などによって精神を病んでしまいました。
そこで心療内科でこれまでのことを話して、検査もおこなったところ
発達障害(ADHDとASD)と診断されました。
オープンにするかどうか迷った時期の心情
差別や偏見への恐れ
発達障害をオープンにすることで、差別や偏見を受けるのではないか、という不安がありました。
特に、日本の職場では「普通であること」が重視されることが多いので、自分が特別視されることを避けたいと感じていました。
サポートへの期待と不安
オープンにすることで、職場でのサポートを受けやすくなる一方で、実際にどれだけサポートが得られるかは不透明であり、その効果についても不安を感じていました。
キャリアへの影響
休職した時点で昇進はないな、と思ってはいましたが、自分のキャリアにどのような影響を与えるかは不安でした。
昇進や転勤、他の業務機会が制限されるのではないかという懸念がありました。
障害をオープンにしたワケ
職場環境の改善を期待して
これにつきますね。
職場で発達障害をオープンにすることで、自分が働きやすい環境を整えるための第一歩を踏み出すことができると思いました。
できる限りのことはやったと思っていたので、もうあとは周囲の人に協力をあおぐしかなかったです。
障害をオープンにしてどう変わったか
職場での反応
上司からは
「正直に教えてくれてありがとう。できる限りの配慮はするからなんでもいってね。」
と優しい言葉をもらいました。本当にいい上司に恵まれたと思いました。
仕事に対する影響
正直あまり変わらなかったです。
おそらくお願いすれば、色々配慮してくれたとは思うのですが
その分、別の誰かの負担が大きくなるということは目に見えてわかっていたので
結局はいいだせなかったです。
メンタルへの影響
相変わらず仕事はミスが多かったのですが、自分が発達障害だと認識して、その特性を理解したことにより
ミスに対して自分を責めることが減ったのでメンタル的にはプラスだったかな、と思います。
障害をオープンにするメリットとデメリット
これは正直、その人が置かれた環境によるところが大きいので一概にはいえませんが、とりあえず一般論として考えられるものを挙げてみました。
発達障害をオープンにしようかどうか考えている人はこれらの項目について考えてみてはいかがでしょうか。
メリット
必要なサポートを受けやすくなる:
- 障害をオープンにすることで、職場で適切な支援を受けることができます。例えば、作業環境の調整や業務の優先順位の明確化など、特性に合わせた配慮を求めることができます。
誤解や偏見の軽減:
- オープンにすることで、発達障害に対する誤解や偏見を少しでも減らすことができます。同僚や上司が発達障害について学ぶ機会となり、職場全体の理解が深まる可能性があります。
自分らしく働ける:
- 自分の特性を隠すことなく、ありのままで働くことができるため、ストレスが軽減され、より自然体で仕事に取り組むことができます。
法的保護の適用:
- 障害をオープンにすることで、労働法や障害者差別禁止法の保護を受けやすくなり、差別的な扱いに対する法的な救済手段を得ることができます。
職場の改善に貢献:
- 発達障害に関する意識を高めることで、職場全体の多様性が尊重される文化が促進される可能性があります。これにより、他の従業員も含めた働きやすい環境の整備が進むことが期待されます。
デメリット
差別や偏見に直面する可能性:
- オープンにすることで、残念ながら差別や偏見にさらされるリスクがあります。職場の文化や同僚の理解度によっては、ネガティブな反応を受けることも考えられます。
キャリアへの影響:
- 一部の職場では、昇進や転勤などのキャリアの機会において、不利に扱われるリスクがあります。発達障害を理由に、能力が正当に評価されない場合があるかもしれません。
プライバシーの喪失:
- 障害をオープンにすることで、自分のプライバシーが一部失われることになります。個人情報が広まることで、不必要な注目や誤解を招くことがあるかもしれません。
過剰な配慮や特別扱い:
- オープンにすることで、必要以上の配慮や特別扱いを受けることがあり、自分が望む以上に「特別視」されることがストレスになる場合があります。
周囲の期待とのギャップ:
- オープンにすることで、周囲が過度に期待したり、逆に能力を過小評価したりすることがあります。その結果、業務の負担が増えたり、逆にやりがいのある仕事が与えられなくなったりする可能性があります。
まとめ
ボクは発達障害をオープンにして良かったと思います。
オープンにしたおかげで精神的にラクになったと感じられたことが大きいからです。
ただし、発達障害をオープンにすることには、重要なメリットがある一方で、リスクも伴います。
最終的な判断は、自分の職場環境、同僚や上司との関係性、そして自分の価値観や長期的なキャリア目標を考慮に入れた上で行うといいでしょう。